複雑を、スマートに。



1ウォーターPPP/官民連携の推進

効率的で持続可能な下水道事業を実現するために、PPP(官民連携)の計画立案や、プレイヤーとして事業への参画を行っています。自治体が抱える様々な課題を把握し、民間ならではの専門知識と技術で応えます。


三浦市ご担当者様が語る!ウォーターPPP挑戦の舞台裏

当事者の生の声

前例のないプロジェクトに挑んだ三浦市PPPの担当者と、それを支える日本水工設計の担当者にインタビューを実施しました。PPP成功のためのヒントがきっと見つかるはずです。

ウォーターPPPの最適解は、徹底的な自治体目線から生まれる。

将来にわたり下水道インフラを守り抜くために、私たちが大切にしているスタンスと実際の取り組みについて。

複雑な課題を自治体目線で把握し、
スムーズなPPP導入を推進

PPPは前例が多くなく、地域が抱える課題は多種多様なため、その推進は容易ではありません。私たちはこの課題を解決するために、下水道事業におけるヒト・モノ・カネの観点から導入に向けた分析を行います。
自治体が抱える具体的な課題を正確に把握することで、民間活力の活用が期待できる分野を的確に捉え、プロジェクトの成功率を高めます。

ウォーターPPP/官民連携の推進

民間事業者が
参画しやすい事業スキーム作り

私たちは、PPPの新しい枠組みの下水道事業支援を数多く行ってきました。アドバイザーとしての実績だけでなく、日本国内で4例目のコンセッション事業にも関わり、先進的な下水道事業の運営を行っています。
このようにして得た経験やノウハウを活かし、PPPを進める自治体や参画意向の民間事業者に、確かな選択肢を提供します。

ウォーターPPP/官民連携の推進

神奈川県三浦市「ウォーターPPP」導入事例
令和5年度~【日本初】 フルセットのコンセッション事業

【課題】
深刻な財政危機と迫る老朽化設備の更新時期・・・

三浦市は、経常収支比率100%を超過し、全国的に見ても深刻な財政危機に直面していました。さらに、職員不足、施設の老朽化、人口減少といったヒト・モノ・カネの問題が深刻化しており、特に浄化センターやポンプ場、管路施設の更新が迫っていました。また、人口減少に伴う使用料収入の減少や財政負担の増加も重なり、長期的な合理化と施設の維持管理・運営が課題となっていました。

ウォーターPPP/官民連携の推進

【解決手段】
フルコンセッション方式とデジタル情報基盤による効率改善

フルコンセッション方式のPPPは、これらの複雑な課題を抜本的に解決するための、またとないチャンスでした。日本水工設計では、電気・機械設備の効率的な更新計画を立案し、将来の処理水量を予測して施設規模の適正化を図り、特にダウンサイジングによるコストの最適化を提案しました。
また、独自にデジタル情報基盤とタブレットによる設備管理ツールの導入支援や、XAI(説明可能なAI)による管路劣化予測などの導入も提案し、持続可能な公共下水道事業の実現を目指しました。

ウォーターPPP/官民連携の推進

【成果】
民間協力だから実現できた未来志向の下水道事業運営チーム

フルコンセッション方式のPPPを導入した結果、民間事業者と自治体が同じ目線で住民サービスの改善に取り組めるようになりました。財政面ではVFM約 4.1%の向上、20年間で2億円の他会計繰入金の抑制、約1億円の市債残高の抑制が期待されています。
事業開始から1年が経過し、今後はデジタル情報基盤の充実を図るなど、更なる効率的な下水道事業運営を目指し、未来志向のチーム作りが加速しています。

ウォーターPPP/官民連携の推進



2デジタル情報基盤

独自に開発したデジタル情報基盤ツール「AssetMan® Base」は、下水道事業に関する様々なデータを集約し、DXを推進します。集約されたデータを用いた分析や将来予測を通じ、効果の高い施策の実現を支援します。


データドリブンな事業運営へ

独自製品 AssetMan® Base

デジタル情報基盤(AssetMan® Base)は、台帳システムや監視システムといった下水道事業で生まれるデータだけでなく、自治体や国などが公開しているデータを抽出・変換しデータベースに格納する作業をワンストップで行います。これにより、各業務の実施・運営に特化した専用システム等のデータをーか所に集約し、横断的な分析を可能にします。
抽出・変換・格納のプロセスを自動化することで、迅速かつ効率的なデータ整理を実現し、EBPM (Evidence-based Policy Making:エビデンスに基づく政策立案)に向けた評価や分析を強力に支援します。様々なデータを用いた議論により、政策や種々の計画の精度向上や、より効果的な施策等の実現に繋げることが期待されます。

データの「収集・整理・登録」支援

導入に向けては、保有データの棚卸を行い、目的に適したデータの収集・整理・登録をサポートします。デジタル情報基盤は、データを集約・分析・可視化するための下水道事業に特化した大きなハコといえます。水の総合コンサルとして培った下水道事業のノウハウとデジタル技術の知見の両面から、効果的な運用をサポートします。

ダッシュボード

各種業務領域に散在するデータを横断的に集約し、下水道事業の運営に向けてのサマリー情報を表示します。様々な要素が組み合わさった重点管理項目の自動算定や、日々変動する流入水量などの重要情報を1つの画面にまとめ、現状把握を容易にします。また、データの集約によりデータ整理に係る作業時間を削減します。これらの効果を通じ、”本業に専念”と”データに基づいたアクション”を支援します。

設備情報

デジタル情報基盤に集約した設備情報や診断情報を用いて、各機器の諸元や状態を確認することができます。設備劣化推移の予測に関しては、所得年度と診断時点の健全度に基づき、健全度が2になるまでの劣化推移を予測します。これら機能により、設備の管理を支援します。

管路情報

設備情報と同様に、管路情報もデジタル情報基盤から確認することができます。縮小表示時においてもマンホールの位置・箇所数を把握できるようにするため、エリア内に含まれるマンホール個数を丸数字で表示する機能を設けています。管路の可視化を通じ、効率的な管路管理を支援します。

「三浦市」でのデジタル情報基盤導入事例

既存システムのデータはそのままでは登録できないため、下水道事業の運営に求められる情報を選定し、自動化ツールを用いて約4ヶ月で初期登録を行いました。施設情報や運転データをデジタル化することで、 モニタリングが容易となり、効率的な管理と運営が推進されました。今後も継続的にデータ拡充を図り、効果的な事業運営に貢献していきます。

3雨天時浸入水調査

独自技術のラインスクリーニングとAI解析を組み合わせ、雨天時浸入水の発生箇所を高精度で特定することができます。複数の調査技術を駆使し、雨天時浸入水調査に関わる時間とコストを大幅に削減します。


様々な調査技術を駆使し、雨天浸入箇所を絞り込む。

【独自技術】 ラインスクリーニング

下水の温度変化を測定することで雨天時浸入水を検出する革新的な技術です。光ファイバーケーブルとDTS(温度分布計測装置)を使用し、下水の温度を1m間隔・1分周期で測定します。これにより、浸入水の発生箇所を誤差±5m以内で絞り込み、その後の効率的な詳細調査を実現します。


実証実験にて効果を証明 インフラメンテナンス大賞受賞

実証実験では、水位計とラインスクリーニングにAlを組み合わせた雨天時浸入水調査技術の導入により、調査コストと時間を大幅に削減しました。 また、第6回インフラメンテナンス大賞で優秀賞を受賞し、高い評価を得ました。



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4テクノロジーの積極活用

「3D点群データ」 「ドローン」 「フォトグラメトリ」といった、様々なテクノロジーを積極的に活用し、これまで多大な時間とコストがかかっていた測量作業や下水道施設の現調作業などを効率化します。




3D点群データ活用

LiDARで得られた点群データを活用することで、3Dモデル上で計測が可能となります。短時間でデータの取得が可能で、測量作業にかかっていた時間を大幅に短縮化できます。ハザードマップの作成にも応用できます。

測距の高速化
ハザードマップ制作
省力化
3D点群データ

ドローンによる現況確認と点検

ドローンを活用することで、これまで人の立ち入りが困難だった高所の現況確認や点検が正確に行えます。これにより高所のメンテナンスや現場調査の効率化が図れます。

高所の点検・調査
老朽箇所の把握
効率化
ドローンによる現況確認と点検

フォトグラメトリの活用

フォトグラメトリ技術を活用し、施設の詳細な三次元モデルを作成します。これにより、下水道施設の見える化を図ることで、担当者間でのイメージの共有化が可能となります。また、既存の構造物の現調作業などの効率化・省力化に寄与します。

 
既設構造物
3Dモデル化
現調作業
省力化
フォトグラメトリの活用

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