河川構造物耐震・機能診断

概説

◆治水や利水を担う河川構造物(堤防、水門、樋門及び排水機場等)は、平成7年兵庫県南部地震を契機とし、耐震点検、耐震対策が進められてきましたが、未だ多くの河川構造物の耐震性能不足が指摘され、老朽化が進行しています。

◆今後既存インフラの有効利用が社会的な要求事項となる一方、現存河川構造物の耐震性能向上が河川行政の課題となっています。

「平成24年2月 河川構造物の耐震性能照査指針」の基準改正に伴い、河川構造物の耐震設計・機能診断業務においてレベル2地震動対応の変形性能照査が必要になっています。

樋管・水門の耐震照査の考え方

検討部位と照査内容 照査手法 照査項目 照査基準
【函渠】
縦断方向の変位を静的に算定し、原則として函体に生じる曲げモーメント及びせん断力がそれぞれ終局曲げモーメント及びせん断耐力以下であるとともに、継手を有する場合には継手の変位が許容変位以下であることを照査
地盤変形解析+
弾塑性フレーム解析
函体の損傷 変形 作用曲げモーメント ≦終局曲げモーメント
作用せん断力≦せん断耐力
継手の変位 継手部の開口量≦許容変位量
継手部の目違い≦許容変位量
【門柱、堰柱】
地震時保有水平耐力が門柱、堰柱に作用する慣性力を下回らないとともに、門柱、堰柱の残留変位がゲートの開閉性から決定される許容残留変位以下であることを照査
地震時保有水平耐力法 門柱の損傷変形 慣性力≦地震時保有水平耐力
残留変位量≦許容変位量
【揚排水機場】
地震時保有水平耐力が機場本体に作用する慣性力を下回らないとともに、ポンプの運転を妨げない残留変位として、機場本体に生じる応力度が降伏応力度以下であることを照査
地震時保有水平耐力法
(地盤変位が大きい場合は、応答変位法や応答震度法を用いる)
機場の損傷変形 慣性力≦地震時保有水平耐力
残留変位量≦許容変位量

日本水工設計がお手伝いできること

日本水工設計は、対象構造物の設置位置で、将来にわたって考えられる最大級の強さを持つ地震動(レベル2地震動)に対する耐震性能照査を実施しています。
耐震照査は、静的照査法(地震時保有水平耐力法)により、地震時保有水平耐力が部材に作用する慣性力を下回らないこと、及び部材の残留変位が許容変位以下であることを、有限要素法(FEM)を用いて解析を行っております。
照査結果によって耐震性能を満足しない構造物について、その治水/利水上の機能や重要度に応じて、地震による変状の許容範囲を決定し、最も経済的な対策工法の提案を行っています。

耐震性能照査 ~水門・樋門編~

静的照査法(地震時保有水平耐力法)により、河川構造物の耐震化を!

図-1水門・樋門の耐震性能照査の流れ
図-1水門・樋門の耐震性能照査の流れ

レベル2耐震照査法 ~堤防・函渠編~

地盤変形解析十弾塑性フレーム解析により、堤防と函渠の耐震照査を!

【レベル2耐震照査のながれ】

◆「河川構造物の耐震性能照査指針 平成24年2月」では、地震動(レベル2地震動)を対象とした河川構造物の耐震性能照査では、構造物に一定の損傷を許容するため、従来の損傷を許容しないレベル1地震動の照査に比べ、照査方法が異なります。

◆地震動は、従来の設計水平震度からレベル2地震動を定義します。
照査方法は、従来の円弧すべりから地盤変形解析+弾塑性フレーム解析を用いて、一定の損傷を許容する耐震性能を確保することになります。

◆河川堤防では、地震後の堤防沈下量が「堤防高≧外水位」であることを照査します。

◆樋門の函渠では、地震後に「函体が終局状態に至らない」、「ゲートの開閉が可能」、「継手の変位が許容値以内」であることを照査します。

図-2河川堤防と樋門の地盤変形解析モデル図
図-2河川堤防と樋門の地盤変形解析モデル図

業務実績

受注年度発注者業務内容
平成29年03月現在
平成26年度 大阪府大阪市 堤防耐震診断
平成25年度 東京都財務局 堤防耐震診断
平成25年度 大阪府
西大阪治水事務所
堤防耐震診断
平成25年度 静岡県
下田土木事務所
水門耐震診断
平成24年度 大阪府
西大阪治水事務所
堤防耐震診断
平成23年度 東京都
江東治水事務所
水門耐震・劣化診断
平成22年度 和歌山県
海草振興局
耐震護岸詳細設計

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